[]アイドルの非行防止に警察が指南とか・・・

未成年アイドルの非行防止、警察が指南 芸能プロに講習会検討

未成年タレントの飲酒や喫煙といった非行が相次いで発覚していることを受け、警視庁が未成年アイドルを抱える芸能プロダクションに対し、非行防止のための講習会の開催といった支援策の検討に乗り出した。警察官の現場での経験を生かし、対策などを指南するのが狙い。芸能プロはどこもアイドルの非行防止に懸命だが、決め手がないのが現状とあって、警視庁の取り組みに注目している。

 昨年七月、男性アイドルグループの未成年メンバーが飲酒し、仙台市内の公園で騒ぐなどして警察に補導された。メンバーは今も謹慎中だ。

 今年二月には、やはり未成年二人からなる女性ユニットの一人がレストランでたばこを吸っていたことが発覚。所属事務所は管理、指導不足を謝罪した上で、本人を謹慎処分とした。

 「タレントは商品であり、看板。不祥事はタレント自身にも芸能プロダクションにも大きな痛手になる。どこのプロダクションも未成年のタレントが非行に走らないよう神経を使っているはずなのだが…」

 最近の相次ぐ非行の発覚に芸能関係者は頭を抱えている。

 全国から明日のアイドルを発掘するタレントスカウトキャラバンで有名なホリプロも「タレントの一挙一動が社会に与える影響は大きい。現場マネジャーは担当するタレントに酒やたばこを含めて社会人として自覚するように随時、言っている」と話す。

 独自に非行防止の取り組みをしているプロダクションも多い。

 ワタナベエンターテインメントは、薬物や暴力、借金などの項目をまとめた指導マニュアルを作成し、タレントの指導係の役割も担うマネジャーに持たせている。吉本興業では、五年以上前から警察官OBを講師に招いて、若手タレントを対象にした生活安全講習会を年二回程度開いている。

 ただ、相手は未成年。北海道の駒大苫小牧高校でも野球部員を含む高校三年生が飲酒、喫煙で補導され、今春の選抜大会の出場辞退に追い込まれるなど、若者の自覚の足りなさも目立つ。

 芸能界も事情は同じで、芸能プロでも有効な防止策を打ち出せないのが実情だ。

 若者にメールが普及する中、「仲間だけで独自の社会を作り、その中の勝手なルールで動く。例えば『このくらいならいいだろう』と。そうなると打つ手がない」と話す芸能関係者も。

 警視庁としても、若者に影響力のあるアイドルの非行防止は啓発効果が大きいだけに、「悩める芸能界」に手をさしのべることに。非行の兆候や非行防止対策など、事件現場で培った経験やノウハウを芸能プロの管理職やマネジャーらに伝授するなど、業界との連携を深めた上で具体的な内容を詰めていく方針という。

 ある芸能プロは「現場を知っているだけに、警察に具体的な非行防止を指導してもらえればありがたい」と期待を寄せる。警視庁幹部も「タレントが非行に走らず、逆に非行防止を訴えてくれるようになれば、少年非行そのものの減少につながる」と相乗効果に期待を寄せている。

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 ≪主な未成年タレントの不祥事≫

 【平成17年2月15日】

 テレビの深夜バラエティー番組に出演した女性タレント(18)が出演者の話す経験の真偽を当てるクイズの中で、過去に店の倉庫に忍び込んで段ボールごと食べ物や飲み物を盗んだことを告白

 【同7月15日】

 人気男性アイドルグループのメンバー(18)が14日夜、仙台市内で飲酒。15日未明にも飲酒した後、市内の公園で騒ぐなどして仙台中央署が補導

 【18年2月3日】

 人気男性アイドルグループのメンバー(17)が飲酒していたと雑誌などが報道し、所属事務所は「誤解を招く行為だった」などとし、グループの活動を5月から年内いっぱい休止すると発表

 【同10日】

 人気女性2人組ユニットのメンバー(18)がレストランでたばこを吸っている写真が写真週刊誌に掲載され、所属事務所が謹慎処分を発表

 ※年齢は当時